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裏木戸からの逃走は不可能!警察写真はインチキ!
 袴田さんが現場から脱出したとされている裏木戸は、左右二枚の戸でできており、戸の上下に留金が一つずつ、中央にかんぬきがある造りです。事件直後、下の留金とかんぬきははずれていたものの、上の留金はかけられていたままでした。そのため、袴田さんは裏木戸の下部を無理にめくりあげてできた左右二枚の戸のすき間から脱出したとされたのです。そもそも、住み込み従業員であった袴田さんにとって、食事や仕事で毎日通る通路にあった裏木戸は、その造りも留金の位置もよくわかっており、戸をめくり上げて通るなどという不自然な行動をするはずがありません。もし袴田さんがここを通ったなら、留金ははずれていたはずです。
これでなぜ認定したのか!
 起訴後、警察は裏木戸を再現して上の留金がかかった状態で人が通れるかどうかこっそりと実験を行い、公判で、警察官が「自白通りやったらできた」と、写真三枚を添付した実験の報告書にもとづいて、その結果を証言しました。ところがその写真には肝心の、上の留金部分が写っていませんでした。にもかかわらず、裁判所は裏木戸を犯人の逃走口と認定しました。
上の留金がかかったままでは、人は通れない!
 写真に疑問を持った弁護団は、戸のたわみの力学実験を実施し、その結果、上の留金をかけたままでの状態では、人が通ることはできず、無理をすると留金のネジ釘が抜けてしまうことがわかりました(「前田鑑定書」)。
警察の再現実験は、上の留金をはずして行っていた!
 さらに写真工学の専門家が、警察の実験写真のコンピュータ解析をした結果、写真のような人の身体が入る程度の戸のすき間の状態では、上の留金がかかっていることはありえないことがわかりました(「横田鑑定書」)。

 そこで、弁護団と支援団体は、カメラの位置、撮影する角度などをかえて、警察官が写真を撮影した方法を検討したところ、やはり上の留金をはずさないと同じ写真は撮影できないことがわかりました。

 こうして警察の写真は、上の留金がはずされていながら、その部分が写らないように撮影されていたことが完全に明らかになったのです。

裏木戸についてきちんとした審理を!
 弁護団は、上の留金が写っている写真・ネガの提出命令、鑑定人の証人尋問、再現した裏木戸の検証を請求しましたが、静岡地裁はこれらを全て排斥しました。にもかかわらず、袴田さんと工場を結びつけるため、“それでも裏木戸は通ることができた”と認定したのです。

 弁護団は東京高裁に、認定どおりの方法で裏木戸からの脱出が可能かどうかの再現実験を記録したビデオテープを提出すると同時に、事実調べを実施するよう求めています。