| 逮捕されて20日目の9月6日に「自白」するまでの取調べは、8月の猛暑の中、平均1日約12時間にも及ぶ連日長時間の苛酷なものでした。その上、警察は便器を取調室の中に持ち込み、捜査官の見ている中で排泄をさせるという、袴田さんの人格自体を否定するようなひどい取調べを行ったのです。そのため裁判所も45通の「自白」調書のうち44通は違法な手続によるものとして排除し、証拠として採用されたのは9月9日の一通のみでした。
「自白」の内容は、パジャマの上に雨合羽を着て侵入し、合羽を途中で脱いで犯行を行い、放火後工場内の風呂場でパジャマを洗った、などとなっていました。
ところが、その後「自白」と矛盾する5点の衣類が出てきたため、有罪判決を下した裁判所すら、犯行着衣がパジャマであるとする「自白」には事実に反する部分が多いことを認めざるをえなかったのです。
しかも、新証拠により、裏木戸は通る事ができず、被害者にはクリ小刀ではできない傷があったとされるなど、自白の内容はことごとく事実に反することが明らかになったのです。
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